包丁の刃の付け方には
2種類あるのはご存知でしょうか。
両側から刃を付ける両刃、
片側のみ刃を付ける片刃の
2種類です。
基本的に、
和包丁では片刃、
洋包丁では両刃が使われています。
片刃と両刃の特長を
ちゃんと理解して使わないと
包丁の良さを十分に
引き出す事ができません。
この記事を読んで
それぞれの特長を捉え
ワンランク上の
料理人を目指しましょう!
両刃と片刃の違い
2種類の包丁は刃の形が
見た目でも全然違います。
上の図のように比べると
一目瞭然ですね。
両刃包丁と片刃包丁の
違いは下の表の通りです。
両刃包丁 | 片刃包丁 | |
切れ味 | ○ | ◎ |
刃持ち | ◎ | ○ |
研ぎやすさ | ○ | ◎ |
使いやすさ | ◎ | ○ |
特長 | 一般的に家庭で 使われる包丁に多い。 主に洋包丁で用いられる。 刃にかかる負荷が均等な為、 真っ直ぐ切りやすい。 両側から刃を付ける為、 研ぐのは難しい。 どんな場面でも使える オーソドックスな包丁。 | 主に和包丁で用いられる。 刃にかかる負荷が違う為 真っ直ぐに切りづらい。 片面だけに刃を付けるので 研ぐのが容易。 切れ味が良く 繊細な作業向き。 何かに特化した包丁に 多く用いられる。 |
包丁は刃の付け方が違うだけで
全く違った使い心地になります。
それぞれの特長を理解し
使い分けましょう。
包丁を使い分けることで
食材の良さをより引き出せます。
では、それぞれを
詳しく見ていきましょう!
両刃包丁
両刃包丁は
両側から同じ角度で
刃が付いている包丁です。
一般的にご家庭にある
三徳包丁(万能包丁)は
この両刃包丁に分類されます。
両刃包丁は片刃包丁に比べ
○真っ直ぐに切りやすい
○刃持ちがいい
といった良さがあります。
真っ直ぐに切りやすい
両刃包丁は
食材を真っ直ぐ切るのに
適しています。
それは、
食材に包丁が入っていく際に
右側と左側の両方に同じ負荷が
かかるためです。
両刃包丁の場合、
食材を切るときに
右側と左側の両方に
同じ負荷がかかります。
左右から同じ負荷がかかることで
包丁が真っ直ぐに進み
切りやすいという訳です。
以前解説した、包丁の研ぎ方で
『左右同じ角度で研ぎましょう』
と言っていたのは
このことに関係してくるからです。
せっかくの両刃包丁でも
左右の刃の角度が違うと
負荷も変わってくるので
真っ直ぐに切れず
使いづらく感じます。
※研ぎ方についてはこちらで
解説してあるのでご覧ください。
一方、片刃包丁は
片側だけに負荷がかかるので
同じように包丁を降ろしても
曲がってしまいます。
刃持ちがいい
両刃包丁は片刃包丁に比べ
刃に厚みがあるため丈夫です。
使っていても
少々の事では刃こぼれせず
切れ味もあまり落ちません。
ですが、刃が分厚い分
切れ味は片刃包丁に劣ります。
切れ味重視の場合は
片刃包丁を使いましょう。
片刃包丁
両刃包丁の良さが
分かったところで、
続いて片刃包丁も見ていきましょう。
片刃包丁は、
○研ぐのが容易
○切れ味がいい
といった良さがあります。
研ぐのが容易
片刃包丁は両刃に比べ、
研ぐのが容易だと言えます。
両刃の場合、
左右の刃のバランスを
考えなければなりません。
しかし片刃は、
片側の角度さえ決まれば
反対側は軽く返しを取るだけなので
両刃包丁より簡単です。
切れ味がいい
両刃は刃持ちがいいのに対し、
片刃は切れ味が抜群です。
片側からのみ刃をつけているので
両刃より刃が鋭く、よく切れます。
刺身包丁や
薄刃包丁(剥きもの用の包丁)が
片刃なのは鋭い切れ味を
必要とするためです。
お刺身などの
柔らかいものを切るときや
剥きものなどの繊細な作業には
この片刃包丁が適しています。
間違った刃の付け方
正しい研ぎ方を
しているはずなのに
なぜか切れるようにならない。
そんなお悩みありませんか?
実は包丁には
両刃のみ刃が付く包丁や
両刃と片刃どちらでも
刃を付けられる包丁があります。
正しい研ぎ方をしていても
両刃のみ刃が付く包丁に
片刃をつけても全く切れません。
それは、
包丁の作りの構造に
理由があります。
包丁の種類を見極める
包丁に使われている金属は
切れるようになるものと
そうでないものがあります。
詳しい名称などは長くなるので、
ここでは
『ハガネ』(低コスト、錆びやすい)
『ステン』(高コスト、錆びづらい)
『軟鉄』 (コーティング用、切れない)
の大きく3つにまとめて
説明していきます。
「ハガネ」や「ステン」は
聞き馴染みが
あるのではないでしょうか。
ハガネはお手頃な価格で
鋭い切れ味が魅力的な反面、
サビに弱いという難点があります。
一方ステンは、
サビに強く手入れが楽
という魅力がありますが、
圧倒的に値段が高いです。
「よく切れてサビに強い
そして、お手頃価格」
そんな包丁を実現させたのが
『合わせ包丁』
この合わせ包丁こそが
正しい研ぎ方をしても
切れるようにならない
原因になっています。
合わせ包丁とは
低価格で
「鋭い切れ味とサビに強い」
この両方の良さを実現したのが
合わせ包丁です。
安くてサビに強い包丁は
ほとんどの場合
この作りになっています。
合わせ包丁は
低価格を実現するため、
・サビに強く低コストだが、
切れるようにならない「軟鉄」
・低コストで切れるが
錆びやすい「ハガネ」
を組み合わせて作られています。
この合わせ包丁の作りを
きちんと理解して刃を付けないと
正しい研ぎ方をしても
切れる包丁にはなりません。
上の図のように
間違った刃付けをしてしまうと
刃となる部分が
切れない軟鉄になってしまい
いくら研いでも
切れるようになりません。
両刃用は両刃に
片刃用は片刃に
きちんと見極めて
刃を付ける必要があります。
合わせ包丁の見分け方
あなたが使っている包丁は
合わせ包丁なのか、
合わせ包丁の中でも
両刃用か片刃用のどちらなのか、
その見分け方はとても簡単です。
それは、
『包丁のどこがサビているか』
ハガネ製の場合、包丁全体が錆び
ステン製の物は全く錆びません。
この2つの場合は
両刃、片刃どちらの
刃付けをしても使えます。
また、
刃先だけが錆びる、
片面だけが錆びるという場合は
合わせ包丁なので
刃付けに注意が必要です。
合わせ包丁に使われる
軟鉄はサビに強く、
ハガネはサビに弱いため
刃先や片面だけが
錆びる包丁は合わせ包丁です。
上の図で分かるように、
刃先だけが錆びる包丁は両刃に
刃先と片面が錆びる包丁は
片刃として使いましょう。
《注意点》
最近の合わせ包丁には、
軟鉄とステンの
組み合わせのものもあるので
一概にこの見分け方だけでは
見分けられない場合があります。
包丁のメーカーでお調べの上
判断されることをお勧めします。
1番間違いないのは
買った時の刃の形のまま
メンテナンスしていくことです。
両刃包丁は両刃のまま
片刃包丁は片刃のまま
使い込んでいきましょう!
両刃を片刃に、片刃を両刃に
刃を付け替えるのは
包丁の目利きが
出来る様になってから
チャレンジしてみてください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、
『両刃包丁と片刃包丁の違い』
についてのお話でした。
もう一度おさらいしておくと
以下の通りです。
《両刃包丁》
○真っ直ぐに切りやすい
○刃持ちがいい
▲切れ味は片刃に劣る
▲メンテナンスが難しい
《片刃包丁》
○鋭い切れ味
○メンテナンスが楽
▲切れ方に癖がある
▲刃持ちが悪い
普段使いなら両刃包丁が
おすすめです。
少し料理に慣れて、
ワンランク上の料理を目指すなら
片刃包丁も取り入れていきましょう。
過去に包丁選びのポイントを
まとめた記事を書いているので
そちらも参考にしてみてください。
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