寒い季節になると食べたくなる“ふぐ”
てっさにてっちり、
考えただけでよだれが出そうですね。
一般的に
てっさやてっちりで食べられる「トラフグ」
から揚げなどで食べられる「サバフグ」など、
国内だけでも50種ほどの種類があります。
ふぐの中には、
人間を死に至らしめるほどの
猛毒がある個体がおり、
美味しく安全に食するのには
正確な知識と確実な技術が必要です。
また、
全く食べられない種類と
処理をすれば食べられる種類があり、
食べられるものも種類によって
毒の分布が違ったりします。
有毒部位を確実に取り除き、
安心安全なふぐ料理を提供するために
“ふぐ調理師”が存在します。
ふぐ調理師とは
「ふぐ調理師」は国家資格ではなく、
各都道府県の条例によるものなので
受験資格や試験内容、講習内容など
都道府県ごとに違います。
※販売目的ではなく、
個人で捌くのには資格はいりません
なぜ免許が必要なの?
ふぐには“テトロドトキシン”という
人体に危険な毒が含まれています。
テトロドトキシンは熱に強く、
確実に除去しなければなりません。
また少量でも体内へ入ると、
手足のしびれ、吐き気、
最悪の場合死に至ります。
安心安全に美味しくいただくために、
しっかりとした知識と技術のある方に
調理をしてもらわなければいけません。
ですから、
各都道府県で定められた資格が必要なのです。
ふぐをお店で扱うために
ふぐ調理師は、
丸ふぐから有毒部位を処理するときに
必要な資格です。
有毒部位が除去された、
身欠きふぐや、てっさ、てっちりに
加工されているものを扱う場合は、
ふぐ調理師は必要なく、
届出だけで大丈夫な都道府県が多いようです。
都道府県によって多少条例が異なるので、
お店でふぐを取り扱いたい場合は
その場所の決まりを事前に確認しましょう。
試験内容
私が受けたのは大阪ですので、
大阪の試験内容をご紹介します。
講習の対象者
要は、15歳以上なら受けられるということです。
講習の内容
○ 学科講習(3時間)
食品衛生学、食品衛生関係法規、
ふぐに関する知識、確認テスト
○ 実技講習(3時間)
ふぐ処理に関する実技、口頭試問
学科講習と実技講習は別日にあります。
学科講習を受けた後に30問の
軽い〇✖確認テストがあり、
それに落ちてしまうと
実技講習には進めません。
(実技講習の日に再テストがあります)
実技講習では、実際にトラフグを捌きます。
捌いたふぐは、トレイに部位ごとに分け、
それぞれの部位の名称を
答えなければなりません。
それぞれの部位を正確に答えられて、
試験終了になります。
試験費用
○ 講習会手数料(4,000円)
○ 登録手数料(4,300円)
○ テキスト代(1,700円)
学科講習の日に、学科講習会場で購入
○ 教材ふぐ代(実費)
実技講習の日に、実技講習会場で購入
(私が受けたときは5,500円でした)
〇実技用の包丁、白衣、布巾(実費)
柳刃包丁、出刃包丁が必要です。
持っていない方は、購入するか、
職場の先輩に借りてください。
白衣はお店のもので大丈夫です。
試験会場で使い捨て白衣を
購入することもできます。
布巾は100均でもなんでもかまいません。
細かい内容は下のリンクよりご覧ください。↓↓↓
大阪府ふぐ処理講習会案内
試験対策
実際にお店でふぐを扱っているところは
ふぐ調理師の方に教えてもらえば
問題ないでしょう。
ですが、
私のように普段お店で
丸ふぐを扱っていないところでは
難しいと思います。
〇まず第一に困るのがふぐの入手。
一般向けに丸ふぐを販売しているところは
ほとんどありません。
会社の取引先の鮮魚店にお願いするか、
知り合いの鮮魚店にお願いするしか
方法はないでしょう。
〇その次に困るのが捌き方。
お店や会社にふぐ調理師がいる場合は
その方に教わるのが1番でしょう。
それが難しい場合は、
ネットやYouTubeで検索すると
たくさん出てくるので
それを反復して覚えましょう。
また、講習会で購入する
テキストにも載っているので、
そちらで覚えるのもいいでしょう。
普段魚を捌いている方なら、
ふぐを捌くのは
さほど問題なくできると思います。
私も試験前に実際にふぐを捌いたのは
2回だけでした。
多少、捌き方がぎこちなくても、
部位の鑑別さえきちんとしていれば
問題なく受かるので心配いりません。
〇学科講習については、
講習内容をよく聞いていれば、
難しい問題ではありません。
事前にテキストをもらうので
軽く予習程度で大丈夫でしょう。
まとめ
ふつうの飲食店で働くのには
必要ないのかもしれません。
ですが、
一流の料理人がふぐを扱えないようでは
格好がつきませんよね。
資格を取る分には、解体だけですので
それほど技術的に難しくはありません。
ふぐは皮引きや、てっさを引くのに
技術が必要です。
資格をしっかりと取ったうえで、
皮引きやてっさを引く高度な技術を身につけて
一流料理人を目指しましょう!!
コメント